第3話 凸凹な二人は良い関係?

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新人の陽に、業務についての説明を始めようとした沙智だったが、初唯から呼び止められユーザ調査業務のフォローに入る。意外にも初唯なりに、沙智に思うところはあるようで・・・。

初唯
さっちゃんは、やっぱりちょっと堅いかなぁ?

入社のきっかけはミチルの紹介だったが、私の教育担当も沙智だった。

タメなんだから、もっとラフに接してくれても良いのに、といつも思う。せっかくこんな面白い(?)バイトなんだしね。

初唯
さっちゃん、この人フォローしても大丈夫かなぁ?

沙智
そうね・・・、ちょっと気になった文面を詳しく見せていただけます?

初唯
うん。えっとぉ、よくわかんないんだけど、ここのツイートがなんとなく煽りっぽいんだよね〜。

該当のツイートはこんな文章だった。

『あいつ俺に勝てると思ってたのかな、あんまり舐めないでほしい。』

沙智
これだけで判断するのは微妙なところですわね。前後のツイートを見る限り、それほど変なコメントをしているようには思えませんが・・・、初唯さんの直感は良く当たりますから。パッと見た感じでは煽りというより、軽い愚痴に感じますわね。

初唯
う〜ん、そうなんだけど、な〜んか変な感じがするんだよね。でも、この人けっこう有名人っぽいから、フォロバしないと変な感じになっちゃいそうだし〜。

沙智
わかりましたわ。少しこの人の周辺を調べてからにしましょう。面倒なコミュニティに属している方を受け入れてしまうと、後々厄介なことになりますし。

初唯
わかった!じゃ、検討リストに入れておくね。

沙智
よろしくお願いします。

初唯
新人の前だからってさぁ、さすがにそこまでかしこまらなくていいと思うけどなぁ。

初唯
ふだんからこの調子だと思われると、かえって緊張しちゃいそうだし。

沙智
あら?いつもこの調子ですけど。

初唯
あれ?なんかムッとしてる?

沙智
なぜクスクス笑っていらっしゃるのかしら?

初唯
いや、なんでもないよ〜。

沙智
私はいつもあなたのようにー

初唯
あぁ、はいはい、わかりましたよ〜。」(笑)

沙智

初唯
あ、そうだ!質問はもう一個あって〜、晃ちんが早くスラッシュ(※スプラッシュシューティング)のコミュニティ調査進めた方が良いって言ってたから先にやっとくね。

沙智
わかりましたわ。では、よろしくお願いします。

さっきと明らかにトーンが違うような。さっちゃん、怖いよ〜。

初唯
さっちゃんもわかりやすいなぁ。まぁ、みちるんほどじゃないけど。

沙智
あ、失礼いたしました。私、少々取り乱していましたわ。・・・確かに少し堅すぎたかもしれませんわね。私も少し初唯さんを見習うべきかもしれません。

ふっと我に返ったように沙智の表情が柔らかくなった。プライドが高いミチルではこうはいかない(ので、いじりがいもそれほどない)。

初唯
さっちゃんはその辺、すぐに切り替えられちゃうからすごいよね。

聞こえないようにつぶやいた。

沙智
え?

初唯
なんでもな〜い。

沙智
そう言われると気になりますけど、まぁいいです。あ、それと、さきほどお願いされたタイトル調査の件ですけれど、ちょうど良いので陽さんと一緒に研修しながら進めようと思っています。初唯さんには、焔さんが回しきれていないオーブ(※オーブオブウォー)のサポーターを進めていただきたいと思っていますわ。

初唯
そっかぁ、オーブあんまり詳しくないんだけど〜。ほむほむじゃ、しょうがないよねぇ。

沙智
はぁ、良いところはすごい良いんですけど、あの方。とにかく、フォローをお願いしますね。

初唯
あの前向きさは羨ましいけどなぁ。

初唯
おまかせあれ。なんちゃって。

沙智
・・・?

沙智の顔に明らかな困惑の色が見える。

初唯
さっちゃんの真似だけど・・・。

沙智
私、そんなにアホっぽく見えます・・・?

本気で嫌そうな表情を浮かべている。

初唯
うぇ〜ん。さっちゃんがいぢめるよ〜。

沙智
こらこら、二人とも遊んでるんじゃない、陽くんも待ってるだろ。

見かねた晃ちゃんがツッコミを入れてきた。

初唯
えぇと・・・、では聞かなかったことにしますわ!あとはよろしくお願いします。

沙智が颯爽と去っていった。

晃平
沙智と初唯のコンビはある意味ハマってるんだがな・・・。

晃ちゃんが頭を抱えながらなんかぶつぶつ言ってる。

初唯
さぁて、まずはオーブで検索っと。

初唯は無数に開かれたTwitterのタブの一つで検索を始めた。

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